鉄平君には申し訳なかったんだけど、私は「心ここにあらず」といった心境のまま、遊園地デートは進んでいった。
 そして、いつの間にか、ナイトパレードの時間となっていたようだ。
 私たちは園内歩道の片隅に陣取って、パレードの開始を待つことに。
 辺りはすっかり暗くなっている。
 私たちの周りには、たくさんの人が集まってきていた。
 もちろん、みんな、パレード目的だろう。

「いよいよだね!」
 明るく言う鉄平君に、私は「うん」と返す。
 うう……こんな心理状態のままデートを続けるなんて、鉄平君になんて酷いことをしているんだろう……。
 こうなるなら、そもそも、デートのお誘いの時点で、断っておくべきだと思った。
 それにまた、奏と瑠璃が両思いならば、どうして二人を応援してあげる気持ちになれないの……。
 私はすっかり自己嫌悪に陥った。