「…」
「…」
「…」
「…」
「ぷっ…あははっ…ははははははっ!!!」
突然笑い出したイーリスに戸惑い半分恐怖半分の表情をしているオリオン。
「怖がり過ぎだしオリオン。こんなにおびえると思ってなかった!!」
笑い転げるイーリスを恐怖が宿る瞳でオリオンは見つめていた。
「安心しろよ、イーリスが知ってるのは名前だけだ」
ゼウスが耳元でささやくと少し安心したのかオリオンはふうと息を吐いた。
「ごめんねオリオン。怖かった?」
笑い終わったイーリスはさすがに悪いと思ったのかシュンとしている。
「別に…だが、ほかの奴には言わないでおいてくれるか。知られちゃ困る奴も中にはいるから」
「はぁい」
間延びした返事をするとイーリスは、ゼウスに向き直った。
「で、どうなってるの。この船」
そこは、三人でいるにはあまりにも広い、いわばサッカースタジアムが軽く三つは入ってしまうほどの巨大な草原。
緑の草木が涼やかに風にそよぎ、ところどころに咲く花々も美しい。
そして真ん中にはガラスの円形テーブル。中心には穴が開いている。
周りに置かれている椅子は全部で十。まだまだ置けそうだった。
空気は澄んでいる。
船内と呼ぶには、不相応な環境だった。


