「悪いがこれをつけてくれるか?」
パチンとはじかれたのは金のイヤリング。
それは真っ直ぐにイーリスの手へと向かってきた。
「穴あいてるよな」
「おい!無視s」
「うるさい」
しょんぼりとしたゼウスを見てさすがに可哀想になったイーリスは、
「あがぐ!?」
ゼウスを殴り飛ばした。
「…」
「…」
「なかなかの腕力だな。さすが虹元。」
感情のこもっていない声でオリオンがつぶやく。
「…結構おしゃれじゃん…なに?仲間の徴、みたいな?」
左耳に揺れる金のイヤリングを満足げに揺らしながらイーリスは軽く笑った。
「いや、パスポートだ」
「は?パスp」
「来い」
知らない間に腕をつかまれていたらしく、イーリスの体はオリオンが地をけると同時に浮き上がった。
「自分で行けるって!!」
「なかなかいかないから。」
___ストン。
見事な着地をするオリオン。
そのあと時間差で落ちてきたイーリスを抱きかかえ、すたすたと…
「離せ!自分で歩ける!」
「…そうか」
止まってイーリスをおろした。
「大丈夫か」
不安げなセリフを言いつつ無表情なオリオンはただ見つめていた。
「当たり前…っ!?」
ふらりと不意によろめくイーリスに素早く反応したオリオンが見事に抱きかかえる。
「大丈夫か」
「…はぁ…」
ハテナをつけるのを忘れているオリオンに返す言葉も見つからないイーリス。
「取り敢えず船内に行くぞ」
「なぁ、なんで今」
「あとで説明する」
「…(泣)」
人の話を聞かないオリオンに悲しくなったイーリスは黙り込むのだった。
「おい!!俺は!?」
…ゼウスは慌てて後を追いかけたことにしと「メロドラマ化してんじゃねぇ!!」
…ウザい、ゼウス。
「船長だからな!?俺せんちょ」


