音がする。
俺を苛む音。
俺を責め立てる音、叫ぶ音。
激しくたたかれる扉は、今にも壊れそうだった。
優しいはずの声さえ信じられない。
扉を開いた瞬間に殺されるんじゃないか。
別れを告げられるんじゃないか。
壊れそうだった。
体がめちゃめちゃで、狂い出しそうだった。
助けを求められない地獄。
体が、体が…
「ホセェェェェェェェェ!!!」
ハッとして俺は慌てて戸を開く。
何があった。
敵襲か?
また誰か死んだのか?
いやだ。
そんな、そんな…
また引きずり込まれそうな感覚が俺に襲いかかる。
もうだめだ。
行きたくない。
地獄に…


