久しぶりの星に静かに目を細め、ゆっくりと慎重にその星に降りる。
とさっとやさしい音を立てて船は雪に降り立った。
一年中雪を閉じ込める星、コールド・ホールド。
温室効果ガスが少なく、雲はめったに出ないという。
そのためか比較的恒星の近くで明るいにもかかわらず常に寒い。
雪が降り積もるのに雲が少ないとは変わったことだが、それも地形を説明されれば納得がいく。
なんと大陸はほとんどなく、ほとんどが氷。
大陸さえ海に沈み、ここは事実上の水の星となっている。
それが凍り付いたため、氷の星となったのだ。
住民たちはそれを削り雪を作る。
ここは宇宙でも有数のスノーテーマパーク。
厚いコートを身にまとい、俺はその雪を踏んだ。
ここに、クラウンがいる。
期待で胸を高鳴らせ、俺は歩き出した。
俺を唯一見捨てなかったたった一人の兄弟。
言葉通り、あいつは俺の女神だ。
その女神から連絡が来たのは、つい先日の話。


