☆Friend&ship☆ -序章-

取り乱すゼウスを横目に、俺はやけに冷静だった。

俺の視力は望遠鏡並みだ。

そして聴力はウサギ並み。←←

例えが微妙で悪いが、とりあえず気の影にこそこそ隠れる奴がにたりと笑う所位は見える。

キラリと美しく新鮮な輝きが俺の左目に映された。

そこに映る紅さえも俺は判別できる。

静かにそいつを見下ろし、俺はゆったりと腰を下ろした。

もうすぐ頂上…


「テメェぶち殺すっ!」

…そういえばいたな。

スコープのごとき視力、赤外線レーザーのように突っ走るあいつ…←

例えが微妙で本当に悪い。


だがここは50mはあるんだ。

さすがに無茶だと言おうとした瞬間金髪が目の前から消えた。

スーパースローカメラのような動体視力を持つあいつにはきっとそう高く感じなかったんだろう。

だが高いんだ。

仕方ないと溜め息をついて俺もリフトに手をかけて、ワイヤーの上に飛び乗った。



罪なき人々と仲間たちにどうかご加護を。

こちとら嵐が来ても倒れる気がしない。


…二人ともやじろべえ並みのバランスなんだ。

俺はともかくあいつは落ちたっていてぇで済むだろう。

(俺は全身打撲複雑骨折は免れない)

だがいてぇでも船長(ご主人様)に怪我はさせられない。

いざとなれば……


「待ちやがれ!!!」

「お前が待て」