☆Friend&ship☆ -序章-

「ただいまから、ゲレンデをか…」

「びぃーーびゃっほい!!」

「黙れはしたない」

スカッ…ザクッ。

「良いじゃんか」

スカッ…ザクッ。

「他のお客様に迷惑だろう」

ズボッ。

「かんけーねーもーん♪」

キラッ、ジャキッ。

「もんってなんだ。おっさんかキモい」

スカッ、ザクッ。

「ひでぇ…十五の純粋な少年にそれはないだろ…シクシクシクシク」

ヒュンヒュンヒュン…シュタッシュタッシュタッ…。

「何が少年だ。」

ジャキンッ!

今度こそナイフが切り裂いた紅い髪が空に舞った…。


「てめぇよくも最重要宇宙文化遺産に傷つけやがって!」

ゼウスがキレた。

「「「「そこ!?」」」」

「突っ込みどころもおかしいわよ」

なんなの宇宙文化財って。

「ほうっておけゼウ……」

油断したゼウスの頬からツウと赤い血が流れた。

「…コロス」

「ヒッ」

がっくりと膝をつくクルー。

それほどタナトスは"アブナイ"目をした。


「仲間思いなのね」

「……あれは異常でしょ」

全身から惜しげもなく殺気を放った二人は次の瞬間、同時に言う。

「「こいつを傷つけるなんて、いい度胸だ」」

「「「「「自分!自分!!」」」」」

悲鳴のような叫びをクルーはあげた。


ゼウスは長い長剣を取りだし、タナトスは銃口を撫で上げながら猟銃を取りだし肩に担いだ。

瞬間ゼウスは飛び出して目の前の茂みに突っ込み、タナトスは銃口を僅かに左へそらし発砲。

三人、四人の悲鳴がゲレンデに響きわたった。