「じゃあ、休憩すっか!」
「…」
「…」
「…」
「一応言っておく。お前のクルーは俺を含めてかなりドン引きしている」
「あ?」
「あ、じゃない。なぜこんなになるんだ」
そういってタナトスはゼウスの体を指さした。
「ん?普通じゃね?」
「なわけないだろう。お前は馬鹿だ」
「何故に確定系(ノД`)・゜・。」
キラキラと輝く水滴…つまり溶けた雪を振り払うゼウス。
「迷惑だ。入るな。室内に」
ゼウスは俗にいう雪だるま状態になっていた。
それはふかふかの雪の上で楽しく転がっていたのとワイワイ雪合戦をしていたからだ。
(ちなみにタナトスもクルーが誘ったのだが、もうモザイクがかかるレベルで通りかかったうさぎが粉砕されたのでクルーが本気で逃げた)
「またあとで雪合戦二回戦目やろうな!」
「…やめろ」
「なんで?」
「ここがめちゃくちゃになる。悪いがな、まだ一本しか滑ってないのに休憩する羽目になったのはお前のせいだ」
「はい、カレー食うやつ~!」
「…黙れうるさい」
「1、2、7、19、46にーん!」
タナトスを見事に無視したゼウスは次へ次へと点呼をとっていく。
じきにタナトスも諦めて立ち上がろうとしたゼウスを押しとどめる。
上着の部分を脱いで肩紐を外して。
微かに濡れた髪をフルフルと軽く振れば水滴がピョンと飛んぶ。
女クルーはぺトライを除いて分かりやすく突っ伏した。
「…具合でも悪いのか」
タナトスは眉を潜めてため息を吐いて食券機の方へ歩いていった。
「体調管理のカルテがいるな」
「タナトスのばかー!無自覚ー!」
ゼウスは涙目になって窓の外の山々へ叫んだ。


