「高い高い!!」
「はしゃぐなアホ」
ざくっと音がしそうなほど鋭い言葉をもろにくらったゼウスはガクッと頭を垂れてシュンとする。
「ごめんなさい」
「分かればいい。そしてそれをちゃんと覚えておけ」
「ペトラーイ!!こっちだ!!」
「…ゼウス。お前周りの視線独り占めだな…」
「なんだよ妬いてんのか」
「…」
無駄だと判断したタナトスは諦めてサイドバックにかかとをはめた。
カチカチやっていると不意に目の前が暗くなる。
不機嫌オーラ全開で顔を上げるとそこにはやっぱり…
「終わった?」
すでに両足をはめてぴょこぴょこ飛んでくるゼウス。
「今な」
軽く飛んでトーサイドでブレーキをかけると満足そうにゼウスが笑った。
「じゃ、スタートな!!」
「ゆっくり行けよ」
「早く早く!!」
「…」
二人の光景は、遠足に来てはしゃぐ園児となだめる先生に写った。
「ほのぼのっすねケアノスさん」
「…あー…うん」
クルーに対してあいまいにケアノスは返したが、ぺトライははっきりと馬鹿じゃない、とつぶやいた。
二人…というかここにいる全員が数秒後顎を外す勢いで開いた口が塞がらない状態になるとは、まだ誰も知らなかったのだけれど。


