「…、……っ、ん」
風邪のせいだかなんだか、意識がふわふわとする。
彼の攻め立ててくる舌は大胆かつ、
じれったい。
彼の舌は長々と私の頬辺りを彷徨い続ける。
だけど…私は風邪を引いている。
彼の唇が欲しくても、口付けられることはない。
彼が風邪を引いても私が困る。
「仁さん…風邪、移っちゃう…っ、」
「らいじょーぶら……多分…もう…、移ってるからね」
舌が私の頬を舐めながら言う。
そんな…!
とか思いながらも、
唇で挟み込むようにされると、私もなんだか煽られてしまう。
もう風邪なんて吹っ飛ぶくらいに…甘い。
こんなじれったいこと、“先”のないものなら、早く止めてほしい。
でも“先”が欲しい。
こんな私にしたのは、紛れもない、彼――
「ん、」
もうだめ…。
そんな彼の声と、小さな吐息が聞こえたとき、私の頬にいた彼が奪うように私をの唇を奪った。
ぐーっと、長く深く口づけられてから、そっと彼の唇は離れた。

