「……仁さん…?」
「…、水すら、うまく飲めないかな?」
やれやれ顔の仁さんが近づいて、
私の端からこぼれた水を、彼の舌が優しくすくった。
「…!っ、」
その舌は優しく頬を滑る。
「ちょ…っ、仁さんっ」
彼を引き離そうと、彼の胸を押すが、逆に攻められるようでピクリとも後ろへ動かない。
一体なんなの突然…!
私は叫びたくても、彼の優しい舌使いの感覚に力が入らない。
くすぐったいようで変な感覚の、なんだかエロい彼の舌。
ちゅっ、と繰り返し私の皮膚と触れ合うことで鳴る彼のリップ音。
舌を滑らせてゆくこんな小いようで大きな行為は、
なんだかとても、甘い。