【短編】甘い香り

「…はい、綿菓子」

「…へ?」

あたしは、驚いて目を見開いた。

「…だから、綿菓子。お前好きだろ?食えや」

「…え………ありがとう」

あたしは、綿菓子を受け取った。あたしに、綿菓子を渡して来たのは何故か…亮太。

「…なんか、俺、お前の気に触る事言った?」

「―――は?」

あたしは理解出来ずに、ふぬけた声を出した。

「…だって、お前、どっか行ってもたやん」

「……あ~」

そら、あんな風に言われるとイジメかって思ってまうやん。――と、言いたかったが言わなかった。

「…なぁ」

亮太は、あたしの頬を触った。

「……キスしていい?」

「………へ?」

衝撃な言葉にあたしは目を丸くした。

「…ごめん。可愛スギ」

意味不明な亮太の言葉が聞こえた後は、あたしの唇は亮太の唇に包まれていた。