【短編】甘い香り

「…亮太?」

亮太は、あたしの胸に顔をうずくめて動かない。

「…どうしたの?」

「…ねぇ、亮太?」

あたしは、優しく、ギュッ…と亮太を抱き締め返した。

「…おれ、お前が好きなんだ」

「…へ?」

亮太は、あたしの一番欲しかった言葉を言ってくれた。