【短編】甘い香り

「…な、何っ!?」

あたしは、パッと唇を放した。

「…あ~わり」

亮太は、唇を抑えてそっぽを向いた。

「……何でそんな事すんの?」

あたしは、恐る恐る聞いた。心臓がドキドキして、音が鳴りやまない。

「―――ごめん。止まらなかった。」

「止まらなかったって…」

全く意味が分からず、あたしは首を傾げた。

「…止まんねぇんだよ。お前と居ると、理性がぶっ飛ぶんだよ……」

「…へ?」

「…わり。マジでごめんな」

亮太は、またあたしの頬を触って、抱き締めた。