友達から始まった。

顔を合わせればいつも言い合いしてた。

でも、いつからか山城が好きになってて。

㮈菜の彼氏なのに。

私は、三笠が好きなのに。

歯車が狂って。

卒業式で全て失くした。

でも、高校で山城と再会して。

こうして両想いで。

カレカノになって。

まだまだ、今までの延長線みたいだけど。

私は、山城が好きです。

「…周防。名前、呼んで」

「山城?」

「ちげぇよ。下の名前」

「んなぁ!?む、無理だし!てか、山城は山城じゃなきゃ違和感ある!」

「アホだな。同じ名字になったら、お前も山城だぞ?」

「え…?」

「あんぽんたんにはまだ早いか?」

「え?え?え?」

「もういい」

「え?え?茉零、悪いことした!?」

「してねぇよ。茉零」

「っ…!!!!」

普段は見せない、とびきりの笑顔をして私の名前を呼んだ、山城でした。