「なんで僕なの?僕は…」 「ピアノを弾くことをやめた…でしょ?」 …言おうとしていた言葉をそっくりそのまま言われて驚いた。 エ…エスパー!? 「弾くことをやめたってことは、弾けなくはないんでしょ?」 「でも…!」 「桐城くんの言いたいことはよく分かる。それでも…君がいいの。あの頃の音は出ないかもしれない。あの頃の感情はないかもしれない」 僕の握る拳がふるふると震えている。 …君は、僕のなにを知ってそんなことを言うんだ。 「…上等!」