ところがとあるコンクールの日、母さんは私に向かって走ってきた車に跳ねられた。 私をかばって。 一緒に吹き飛ばされた。 でも病院で目がさめたのは私だけ。 母さんは私が目覚めて数時間後に他界した。 一つの楽譜を手に残して。 それがこの曲。 『メンデルスゾーン/春の歌』 母さんがその日に弾くはずだった曲。 母さんが私に残した遺産。 だから私は弾くの。 母さんの意志を継いで、母さんのようなピアニストになると。