風が、吹いた




嬉しそうに、それを開けて読んだ吉井の残念そうな顔といったら。



すぐに自分のノートに何か書き込んで、こちらに飛ばしてきた。



心底面倒なので、やや気になるものの、敢えて開かず、隣を見ることもやめて、授業に集中した。



しかし、後悔する。



その紙には、




[次の休み時間きっちり聞かせてね]




というメッセージが書いてあったから。



ちゃんと読んでおけば、心の準備くらい、できたのに。