冷たい風が私の頬をかすめて、思わず身震いする。 私自身が、十分にわかっている、この頑固なまでの拒否反応。 佐伯さんとも、もう半年になる付き合いだから、わかって当たり前で。 私も隠そうともしてなかったけれど。 スピードに身を任せて、自転車を走らせる。 赤信号で急に止まった身体がにわかに汗ばむ。 酸素を求めて大きく肩で息をするが、うまく取り込むことができない。 私の目は、その先にあるあの森をしっかりと捉えていた。