「不思議なのは、どうして森明日香が倉本さんと嘉納…いや、志井名さんの関係に気づいたか、なんですよね。あの様子だと志井名さんが倉本さんのことを話したとは考えにくいですし」
加賀美は腕組して考えている様子だ。
「嘉納に森明日香は惚れ込んでるみたいだから、迫ったけど拒否られたのかなんかで調べたんじゃないのー?」
吉井の意見に。
「案外、そんなところかもしれませんね。森明日香は独断で動いているみたいでしたから。正直結婚の話も、あまり信憑性がありませんでしたし。」
納得したように、加賀美が頷いた。
「で?」
そのやりとりを、黙って見つめていた浅尾が口を開いた。
「嘉納は一体何を考えてるわけ?」


