風が、吹いた





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いつも通りざわめく放課後の教室。



毎回毎回言い逃げされている感が否めない、先輩との会話が、頭の中をぐるぐるしている。



自分自身の不甲斐なさにも苛々する。



訊いてしまえば、良かったのに。



ーどうして私を知ってるんですか?



ーどうしてバイト毎日入ることになったんですか?



ーどうやって校庭から屋上まであの速さで来れたんですか?



ーどうしてこの学校に来たんですか?



ーあれ…



私が訊きたいことは、確かひとつだけだった筈なのに。



知らない間に増えてしまっているらしい。