風が、吹いた


今思い返すなら、あの頃から。




否、桜の木の下で、最初に君を初めて見たその瞬間から。




とっくに、俺は、心を奪われっぱなしで。





でもどうせ、俺はもうすぐ居なくなってしまうから。



今まで誰とも深く関わらずに生活してきたわけで。




君を傷つけたくなんてないから。




俺に気づいて欲しいなんてー



ましてや好きになって欲しい、振り向いて欲しいなんて願うつもりはなくて。




ただ、見つめてさえいられれば、それでいいと。



想っていたのに。