「いや、別にいいんだよ。で、それが、どうかしたの?」
躊躇うように言いかけて、彼が口をつぐんだので。
「言ってごらんよ。」
なるたけ柔らかく、促してみた。すると彼は意を決したように、息を軽く吸いー
「短い間でいいので、あの場所を俺に貸してくれませんか?」
一息に言い切った。
本日二度目の豆鉄砲。まさか、そんなことを頼まれるとは。考えていなかった。
「どうして?」
幼い子供のように、何故どうしてを繰り返すことしかできなかった。
僕の質問に、彼は一度、俯く。
暫くすると、顔を上げた。
「申し訳ないですけど。。俺の、わがままなんです。」
と、切なそうに言った。
彼の説明を要約すると、こうだ。
自分は親の反対を押し切り、エスカレーターでいける筈だった高校を自分で勝手に辞めて、別の高校に入った。それを機に、家を出て、一人暮らしをしている。
ただ、それには卒業までというタイムリミットがあるため、特に交友関係は築かなかったらしいが、今年の3月に、どうしても気になる子が出来たらしい。
そして、その子は、「自分に似ている」ようだと彼は言う。
躊躇うように言いかけて、彼が口をつぐんだので。
「言ってごらんよ。」
なるたけ柔らかく、促してみた。すると彼は意を決したように、息を軽く吸いー
「短い間でいいので、あの場所を俺に貸してくれませんか?」
一息に言い切った。
本日二度目の豆鉄砲。まさか、そんなことを頼まれるとは。考えていなかった。
「どうして?」
幼い子供のように、何故どうしてを繰り返すことしかできなかった。
僕の質問に、彼は一度、俯く。
暫くすると、顔を上げた。
「申し訳ないですけど。。俺の、わがままなんです。」
と、切なそうに言った。
彼の説明を要約すると、こうだ。
自分は親の反対を押し切り、エスカレーターでいける筈だった高校を自分で勝手に辞めて、別の高校に入った。それを機に、家を出て、一人暮らしをしている。
ただ、それには卒業までというタイムリミットがあるため、特に交友関係は築かなかったらしいが、今年の3月に、どうしても気になる子が出来たらしい。
そして、その子は、「自分に似ている」ようだと彼は言う。


