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季節も大分秋らしくなって、哀愁漂う空気が広がる様に感じる頃。
カウンターにしゃがみこんで、僕は一人で在庫整理をしていた。
カランカラン
閉店した筈の店から、ベルの音が聴こえる。
―どうしたのかな。鍵閉め忘れてたっけ。誰か入ってきたな。
そう思い、恐る恐るカウンターからそっと顔を出す。
「突然、すみません」
ノックしたのですが、と恐縮しながら、戸口の前に立つ少年。
「あぁ、君か」
すぐにほっと胸をなでおろし、笑顔になった。
茶色い髪と、整った顔立ち、さらに長身という、誰もが見惚れる容姿の彼は、日曜の夜の常連だった。


