唇に、一瞬だけ、何かが、触れた。 驚いて、目を開くと、伏せていた目をこちらに向けて、彼が笑った。 「!」 状況が飲み込めて、両手で顔を覆ってその場に固まった私にー 「…また、明日ね。」 彼はそう言って、屋上から出て行く。 1人取り残された私は思わず唇に指で触れてから、屋上で暫く、真っ赤になった顔を冷やしていた。