風が、吹いた





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「千晶が試験終わるまで、あんまり会わないで、いる?」




帰り道、1人悶々としている私を横目に、椎名先輩が提案する。



案の定、あれから冷たい雨が、パラパラと降ってきたために、私と先輩は自転車を学校に置いて、停留所でバスが来るのを待っていた。




「え…」




と、顔をあげて、先輩の顔を見ると、首を傾げて私の返事を待っているようだった。




「でも…」




会いたい自分は居るけれど、椎名先輩のことも、浅尾のこともあってか、心境は勉強どころじゃなかった。このままじゃ、まずい気もする。




「俺は、千晶に合わせるよ」