風が、吹いた







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「あ、浅尾」




昇降口に着くと、浅尾が靴箱に寄りかかっていた。




「はよ。」




彼はそういうと、私の隣の椎名先輩に視線を移した。



「ちょっと、いいっすか?」




「え、何?」




私が口を挟むのを、先輩の手が制す。




「千晶、先行っててくれる?」




腑に落ちないまま、返事だけして、ひとりで教室に向かった。