「ありがとうございましたー」 店員さんの声を背中に受けながら、外に出た。 寒い、夕方。辺りは暗い。 「喜んでくれるかな」 渡したときの反応を思い浮かべながら、手にぶら下がる小さい紙袋を見る。 その中にこじんまりとした包みが入っている。 思わずにやけてしまいそうになるのをなんとかとどめて、それを鞄にそっと入れた。