風が、吹いた


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ピンポーン



12月31日朝6時。



もう慣れた来客。



いつもと違うのは、今日は朝からずっと一緒に過ごすこと。




「…確かに」




玄関の鍵を開けて、朝から無駄に爽やかな笑顔を向ける椎名先輩に向かって、言う。




「今日は1日あげるとは言いましたが。」




目が開かない。




「早い!」


陽は今登り始めたばかりだ。


「だって、時間が勿体ないでしょ」




抗議する私に、飄々と答える彼は、いつ寝ているのかと思うほど、活動的だ。




「折角だし、デート、しようよ」




先輩と出逢ってから、1日中一緒に居るというのは、初めてで。




自分なりに、少し緊張もしたし、わくわくもしてたけど。



冬休みって、遅くまで眠れるのが醍醐味って、私は思うのですが。