風が、吹いた


森の脇の道をずっと、道路沿いにあてもなく歩き続ける。



車通りが少なくなった夜の信号は、昼間と同じようによく働いている。




「デザートの量も半端なかったね。」




2人で笑い合いながら、他愛のないことを、とめどなく話した。




「先輩っていくつバイト掛け持ってたんですか?」




「敬語もうやめて」




「先輩っていくつバイト掛け持ってたの?」




「んー、いち、に、さん、、、5個かな」




「何のバイトしてたんですか?」




「…………」




「何のバイトしてたの?」



「色々。スタンドもやってたしコンビニも。あと本屋とか。新刊読み放題」




繋いだ手はそのままに。