「ーーーー!」
私の顔は、間違いなくぼっと火がついたように赤くなっているだろう。
やっぱり、きっと、送ってくれたのは、椎名先輩だ…
どうしてもその先は思い出せないし、むしろ恐ろしすぎて思い出したくはないが、
多分、制服をハンガーにかけてくれたのも、彼で、ジャージを畳んでくれたのも彼で、
私を着替えさせてくれたのも、額に手を置いて様子を見てくれたのも、湿布を貼ってくれたのも…………
「千晶、ぼーっとしてどうしたの?お客さん、どんどん入ってくるから、案内お願い」
口に手を当てて、どくどくと波うつように感じる自分の心臓に、対応できないまま、突っ立っていた私は、佐伯さんの声ではっとして。
「すみません」
すぐに入り口に居る客の元へと駆け寄った。


