「どうして?」
聞き捨てならない言い方に、とっさに問い返していた。
浅尾は難しい顔をして、手を顎にあてる。
「なんつーか…得体が知れないんだよな。告白していく女子共は次々と泣かされてるし、男友達にも一線を引いている。だから、俺としては、倉本が心配なんだよ。椎名先輩は何が目的なんだろうな?」
浅尾は本気で心配してくれてるようだ。
「そんなに深刻に考えなくても大丈夫だよ。じゃーね。」
私はそんな浅尾との会話に、軽く終止符を打って、背を向ける。
と。
「友達なら、俺でいいじゃん。」
浅尾の声が追ってきて、驚きで立ち止まる。


