あのあとまた蛍さんの胸で泣いて、遠慮するわたしにほとんど無理矢理のようにミルキークオーツのチャームを押しつけて蛍さんは笑った。
この石が香澄ちゃんを助ける手伝いをするから、もらってほしいって。
せめてお金を払うって言ったけど、あたしがもらってほしいだけだからって絶対に受け取ってくれなかった。
でも最後に
「じゃあ香澄ちゃんが元気になってまたここに来れたら、そのときはもらおうかな」
って言っていたから、わたしははやく元気になろうと思う。
まだ、本音を言うと怖いよ。すごく怖い。
また学校であんな視線や罵倒を浴びせられるのかって思うと体が震える。
でもたくさんの元気を、勇気をもらったから。
頑張ってって、言ってもらったから。
少しずつ、わたしのペースで進んで行きたい。
裏切られたことは思い出せば今でも心に痛みが走るけど、それだけ2人のことを想ってたってことだから。
わたしはこんなにも人のことを想って、愛せるんだって、今ならそう考えられるから。


