「香澄ちゃんは自分がつまらないって、自分の存在を不安に思ってるかもしれない。他人に傷つけられたトラウマからなかなか心を開くことができないかもしれない。
でもね、この石を常に持っていて。この石がきっと香澄ちゃんを助けてくれる。
不安を拭って、愛への不信感に陥るんじゃなくて、愛情を注ぐことに力を与えてくれる」
だから頑張って、勇気を出して、他の人を愛する気持ちに怯えないで。
一生懸命そう言ってくる蛍さんに、ボロボロと止まった涙が再び溢れてくる。
こんなにわたしのことを考えて、思ってくれる人がいた?
学校の人はわたしを敵視して、先生は自分のことしか考えてなくて。
唯一の味方だったお母さんもいつもどこか遠慮してて、腫れ物を扱うようで。
それがわたしを思ってだって分かってたけど、それでもわたしはこういう言葉がほしかった。
ずっと、背中を押してくれる言葉がほしかったんだよ……


