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目が覚めたらすでにお母さんは仕事に出ていて、家にはわたし1人だった。
少し遅い朝ごはんを食べようとして冷蔵庫を開ける。
「あ、牛乳ない……」
そういえば昨日の夜はシチューだったし、全部使いきっちゃったのかもしれない。
「どうしよう……」
わたしの朝は牛乳から始まると言っても過言じゃないのに。
習慣になってるから飲まないとなんだか調子が出ないんだよね。
時計を見ると9時を少し過ぎた頃。
今なら、学校の人にも会わないよね?コンビニは近いし……
少し迷ったけど、わたしは財布を持ってフードがついている大きめのパーカーを羽織って家を出た。
人の目を気にしながら俯いてコンビニに向かう。
あと少し、あと少しでコンビニだ。
内心ホッとしていると向こう側から制服を着た男子が出てきて心臓がビクッと跳ねた。
あの制服、わたしの中学の制服だ……
学年とかクラスがいっしょかは分からないけど動悸が速くなり目の前が真っ黒に塗り潰される。
この場所にいたくない衝動から、わたしは近くにあったお店に逃げ込んだ。


