わたしはその音を聞かないようにひたすらシチューを口に運んだ。
最後の1口を食べ終わり席を立つと同時に電話も終わる。
「あ、香澄……」
「ご馳走さまっ」
逃げるようにリビングを出て自分の部屋に駆け込んだ。
最悪だ……
グッと唇を噛み締めてわたしはベッドにダイブした。
さっきの電話、きっと学校からだ。
わたしはここ1か月学校には行かずに家に閉じ籠っている。
理由は……わたしが弱いから。
性格もうじうじおどおどしてて、周りから見たらきっと面倒でイライラするんだろう。
そんなこと分かってる。
他の人より何か秀でたものがあるわけでもない平凡なわたし。
弱くて弱くて、でも変われない。
そんな自分なんて、大嫌いだ……
浮かんだ涙が悔しくて、わたしは枕に顔を埋めた。


