ガヤガヤと騒がしい音が鼓膜に響く。



「おいおい、飲みすぎだぞ?」


「うるせっ」



飲まねぇとやってられないぜ。


はぁ、とこれ見よがしにため息をついてやった。


目の前にいるやつ、大学の友人である沢崎(さわざき)はやれやれ、と苦笑をもらした。



「まぁまぁ、そのうち決まるって」


「……それは決まってるやつが言えるセリフだ」



俺にとっては嫌味にしか聞こえん。


むっとしてグラスの中に入ったお酒を飲み干した。



さっきから言っている、決まる決まらんの話はもちろん就職の話である。


そして、沢崎は決まって、俺は決まってないという……


しかも大手企業の面接とか結構受けたぞ?


ハッ、言わずもがな全部落ちたぜ。


つーか落ちてなかったらこんな状況になってねぇ。