『今日、私は死のうと思う。』

ゆっくりと高いところに昇る陽はゆっくりと私の影を短くしてる。
そんな夏のある日、僕はそう確かに考えていた。

耳が痛いほどにセミの鳴き声が聞こえるところに私はいた。

生まれ変わったらセミになろうと思う。

しかし、街のなかで聞こえてくる他人(ヒト)の話し声も足音も車の音も音楽もただ無機物のような単純なものであった。


きっとそのときの私は何かしらの諦めを感じていたのかもしれない。