あの日から時は過ぎ、今は二月七日!



つまり、バレンタインデーの一週間前…

の理科室へ行ってる時の話。




「声に出さない方が田口のためだと思うけど。」




「うっせぇよ!俺はこの日だけが一年で一番嫌いなんだよ!」




「はいはい。その話何回目?もーそろそろ無視ってもいいかな?」



ニコッ




「あぁ?お前にこの苦しみが…」




「宮崎、美香。行こう!遅れたら困るよ」




古川 美香(フルカワ ハルカ)。私的には美香と宮崎は両思いだと思う。分かんないけど。



「あっおい。まてよ。安達、後から覚えとけ。」




「待たないし。考えとくわ。」




……ほんっとに子供みたいだな。話してて楽しいけど。


…え?楽しい?そんな感情久しぶりな気がする。



田口 祐太郎。一体何者なの。私の心に感情を思い出させるなんて。



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理科室から帰る途中、田口に捕まった。



「あーだーちー!俺を置いて行くとは何事だ?」




「か、関係ないじゃん。」




「そんなにお仕置き欲しいわけ?」




「は、はぁ?何言い出すかと思えば…馬鹿なの?」




ピキッ




「ぉぃ。今なんつった?」




やっば。これスイッチ完全に入れ替わるな…




「あーごめんごめん」




「俺が許すと思ってんの?」




「許す以外方法ないでしょ。」




「なめんなよ。俺様に勝とうなんか思うんじゃねーぞ。」



あっちゃー…




「そ、そんなことよりさ…今壁ドン状態だよ?離れたら?」




「は?逃げんだろそんなことしたら」




「逃げないって!」




逃げるに決まってる。




「あ、あの…」




ナイスタイミング!えっと…誰さんだっけ?




「ん?どーかした?」




爽やかスイッチオーン!

ほんと感心する。よくコロコロ変われるな。




「それって壁ドンよね…?やっぱり2人は付き合ってるの?」



「え?そんなわけ…「そーだよ。俺の彼女だよ、綾は。」




「へぇ…王子はみんなの王子じゃなくなったんだね?」




「ちがっ…「そーなるね。でも、俺が好きなんだよ?そんな人に手出したらいくら俺が爽やか王子でも許さないから。」




な、な、な、な、な、なんですって?




「何言ってんのー?」



「慌てんなよ。お仕置き、して欲しかったんだろ?」



「お仕置きって…付き合ってないのにどーするの?」



「馬鹿だな学年首席。今から俺らはカップル。おっけ?」



「おっけ?じゃないわぁ!教室帰ったら絶対みんな知ってるよ?!」



「だろーな」



「だろーなじゃないでしょ?!」



こいつを"爽やか王子"って命名したの誰?
こいつは"爽やか王子"なんかじゃない!ただの"腹黒どS王子"です!