「もーっ!固い!」

千秋はもどかしくて仕方ない。


「…あっ、お線香あげさせてね」

「あ、うん」

葉月は仏壇の前にちょこんと座った。
正座した脚はロングスカートの中に埋もれていた。

「ルナさん、葉月です。
お邪魔します」

葉月は慣れた手つきで線香をあげた。

「はーちゃん、うちに来るの何回目?」

「2回目」

「線香のあげ方、慣れてるね」

「実家に仏壇があるから、小さいころからやってるの」

「なるほどねぇ」