3000年のセカイ

ところで、実は私には2つ年上の兄がいたらしい。




しかし、兄は私が捨てられるよりもっと前に、母が誰かに預けたのだという。



今生きているのかは不明だし、どこに住んでいるのかも分からないが、まあそれもどうでもよいことだ。




――余談だったな。




今の私が興味を持っているのは、歴史について、父が何をしていたのかについてだけなのだ――




私は何としても、この国の全てを明かしてやる。




たとえ私が殺されようとも、父と母の無念だけは晴らしてやるんだ。




私の命は、そのため以外に使う用途などないのだ。







あくまでも私は、「この国の全てを明かす」という目的を果たすために、これを書いている。



日記ではなく、記録だ。


これを読み終わった者がどう思おうが、私は興味ない。


ただ、31世紀のセカイはこんな国だったのだ、ということを知っていてほしいだけだ。