私も、3000年に産まれた子の一人だった。


私の母親は、彼女を捨てた側の人だった。


しかし、母は、噂を恐れてて由真を捨てたのではなかった。





――私が捨てられたのは、噂が流れる数年前、五歳になる誕生日の直前だった。




私が捨てられる前、突然私の父が失踪した。



心配性だった母はもちろん慌てた。



父は国に関わる極秘の仕事についていたのであった。



だから、何も言わずに失踪したとなると、なにか不祥事が起きて、悪く言えば国に「消された」ということしか思い付かなかったのだ。




さっきも言ったが母はとても心配性で、一度「消されてしまったのかもしれない」と思ってしまうと、他のことは頭に入らなくなってしまった。




その次の日、母は、まだ幼かった私を捨てて、彼を探しに行ったのだった。