「どうして無理って言わなかったの?
私、ヤンキーみたいな人たち苦手って言ったでしょ‥」



「俺だってそりゃあ梓(あずさ)を会わせたくなんてないけどよ、煌我さんの頼みは断れなくてなぁ‥‥」


お兄ちゃんはしゅんとしてしまった。


お兄ちゃんが私に男の人に会ってくれなんてお願いされる日がくるとは思わなかったよ。


お兄ちゃんはいつも忙しい両親の代わ
りに、私のこと可愛がってきてくれた
し、男の子と話してるだけで誰なんだよ〜ってしつこいほど聞いてくるくらいだったし‥‥。



「う〜ん、まあ考えとくね」


「ありがとなぁ。
煌我さん、悪い人ではないから本当にっ」



お兄ちゃんの頼みごとだし聞いてあげたいのはやまやまだけど、怖いしなぁ。



私は複雑な感情のままその日は眠りについた。