私が恋した最強ヤンキー様



そして、土曜日がやってきた。


「よし、準備完了‼︎‼︎
お兄ちゃん、お留守番よろしくね」


玄関でお兄ちゃんにそう言う。


「おう。
てか、そんな気合い入れてどこ行くんだよー」


お兄ちゃんは頬っぺをぷーっと膨らます。



「だ、だから、佳菜美と遊ぶの!」


「あ、佳菜美ちゃんか!
なら安心だ。いってらっしゃい」



そんなにニコニコしなくても。
まあ、とりあえずお兄ちゃんが感鋭くなくてよかった。



佳菜美とは駅での待ち合わせ。

ふふん、楽しみだなぁ。
彼女いないんだもんねぇ。

私、ついてないと思ったけどそんなことないかも。
煌我さんは私に与えられた試練なんだよ!




「あれ?
誰かと思えば梓じゃん」



え?



「‥‥うげっ⁈」



何でまた煌我さんに会うの。
しかも、今日は煌我さんだけじゃないじゃん‥‥。

柄の悪い人には柄の悪い友達なんだね。
しかも、その中心を歩いているあなたは何者ですか。



「うげってなんだよ。」


「‥‥‥‥」


煌我さんはいつもと変わらず平然に話しかけてくるけど、私にとってこの状況はだいぶしんどい。


だって、右を見ても左を見ても前を見ても怖い顔した人たちに囲まれているんだもん。





どうしよう‥‥涙出てきそう。


唇をぎゅっと噛む。





「あー、お前ら先行っててくんね。
俺後から行くから」



煌我‥‥さん?



「え、でも‥‥」


柄の悪い男の子は私と煌我さんを交互にみながら戸惑っている。



「わりぃな。
いいから先行っててくれ」


私が知ってる(いやそんなに知らないけど)煌我さんと雰囲気が全然違う。


「あ、はい」


なんて言うか怖い‥。


柄の悪い男の子たちはぞろぞろとどっかへ行ってしまった。



「‥い、いいんですか?
一緒に行かなくて…」


一緒に遊んでたんでしょ?



「後で行くから別にいいよ。
それより、ごめんな。」


???


いきなり謝りだす煌我さん。



「‥‥えっ?」




「え、じゃねーよ。
怖かったろ。さっきの奴ら」


あ‥‥それで謝ってきたのか。



「あ、いえ…」



なんか意外にいい人なの‥‥かな。
不良にしては礼儀がなってるというか。

上から目線すぎでごめんなさい。




「んで、梓はそんな気合い入れた格好でどこ行くんだ?」



その言葉つい数分前にも聞いたような‥。



「駅です」

「何しに?」


何しにって‥‥。


「佳菜美とサッカーの試合見に行くんです」



「‥‥佳菜美って言われても俺わかんねえし」




あ、そうだよね。



「佳菜美は私の友達で…」


ん?何で私煌我さんにこんなに素直に今日の予定打ち明けてるんだ⁈