それらを日々使いまわしている光だが、最初こそ五つとも捨てようとしていた。だが、どんなに捨てても舞い戻ってくると青い顔をしながら言った光は、とうとう使うことにしたのだ。


そして、光の小銭入れの絵柄とは…


「今回は棗さんの顔だわ……。」


ボソッと流麗は気味悪げに言った。
光の手の中の小銭入れに刻まれた、やたら美形な男の顔。


それは光の五人いる兄の内の一人、棗の顔だったのだ。
幼なじみ故に、光