『タコみたい。』
「うるひゃいー!」
人の痛がる顔みて、なに嬉しそうに笑ってんのよ。
『離して欲しい?』
隼の問いに、首をこくこくと縦に振る。
『じゃあ、一緒に混浴ね。』
「……分かひました。」
理不尽すぎる交換条件をのんで、やっと頰を離してもらえた。
ひりひりと痛む頰をさすりながら満足そうに微笑む隼を見上げる。
『じゃ、行こっか。』
「部屋に着替えが…」
『あー、そっか。』
少し考え込むような仕草を見せた後、隼は驚きの行動に出た。
ガチャリッ!
『兄貴ー、夏織の鞄とって。』
「ちょっと大丈夫なの!?」
『今は、ふすま閉まってるし
あっちは見えないから大丈夫。』
まぁ、確かに。
さっきと違ってふすまが閉めてあることで部屋がどうなってるかは、分からない。

