私の彼は、“キス恐怖症”。《SS更新中



「……っ痛。」


強引に、冷たい壁に押し付けられて
強引に唇を奪われる。

抵抗しようにも両腕を封じられて
いて何もできない。


「…ゃ、だっ」


深いキスに、頭の中は真っ白になって生理的な涙が目からこぼれ落ちてきた。


「……っは。」


やっと離された唇から、
息を吸い込む。


「やっぱり“花房”の声、いいな。」


薄明かりの中で、
笑みを浮かべる先生。


「……な、にそれ。」


「花房の身体が、一番好きだった」



……なに言ってるの?


「また側に置いてあげよっか?」


「帰る、」


「身体だけの関係ってのも
案外、悪くないって事知ってるだろ?」


高校生時代の事を言ってるとしたら
先生にとって私は、ただの“都合のいい女”だったんだろう。


「何で卒業式も来ずに、
それから姿消したんだよ。」


私の腕から、手をどいた先生は煙草片手に私の目も見ずにそう言い放つ。


「……会いたくなかった」


「は?」


「あなたみないな人と、二度と
会いたくなかったからよ。」


震える声と、涙のたまった目で
必死で先生を睨みつける。


「俺は、ずっと会いたかった」


嘘つき。


「連絡先渡しとくから
気が向いたら電話して。」

「……さよなら、」


渡された名刺。