「分かった、居てあげるから
早く仕事してきて。」
私の言葉に嬉しそうに笑った隼は、鼻歌を歌いそうな勢いのるんるんとした雰囲気でデスクに戻っていった。
ーーーーーーPM6:30
ガチャリ。
「わっ。」
社長室の扉を開けると、目の前にはたくさんの社員さん達が。
「あなたが瀬野さんの彼女ね!」
「真北が言ってた通り、美人じゃないのっ」
「瀬野さん、ずりー。」
色んな言葉が飛び交う中で、隣にいる隼を不安そうに見上げてみると、
(なに嬉しそうに
ニヤニヤしてんのよっ)
「……っ。」
隼が、いきなり私の腰を抱いて自分の身体に密着させてくるものだから
思わず声が出そうになってしまった。
こんな公衆の面前でこんな姿をさらすなんて公開処刑でしかない。
『はい、通してー。』
身体を密着させたまま、会社を出た私は深いため息をついた。
『よし、帰ろっか。』
顔をのぞきこんでくる隼を、キッと睨んでやれば
『夏織って猫みたい。』
するり、とかわされてしまう。
「……疲れた。」
『じゃあ、帰ったら一緒にお風呂、』
「入りませんから。」
『え?なに?聞こえなーい』
……うざい、
とてつもなく鬱陶しい。
「はーいーらーなーいっ!」
『じゃあ、
背中は俺が流してあげるー。』
「…………。」
誰かコイツの
耳の構造を調べてあげて下さい。

