「(絆創膏あったっけな…)」


包丁で切ってしまった指に応急処置するため、忍び足でリビングの救急箱を開ける、と。


『ん、……?』


眠そうな目でこちらを見る隼と、
目があってしまった。


「うそ、起きちゃったの…?」


『……んー。』


どうやら、まだ頭が起ききっていないらしい。


『……なんで、エプロン?』


「え……、別に?」


駄目だ、誤魔化しきれない。

だって真夜中にエプロンしてるって
どうみてもおかしいもの。