「水買ってくるから待ってろ、な?」 ガチャリ、とドアの閉まる音が 聞こえて。 自分の髪を、くしゃりと掴んで なんとか平静を保とうと 強く強く力を加えて掴む。 もしも、兄貴がこの週刊誌の発売を 阻止できなかったら? ーー夏織は、どうなる? 『……っくそ』 抑えようのない苛立ちに、 壁を殴って子供のように物に当たる。 白い壁に、赤が滲んでいく。